意外に知らない洗濯機内部の汚れ、プロが隅々まで洗浄します!
洗ったはずの洗濯物に嫌な臭いが残る、黒いワカメのような汚れが付着するなど不快な経験はありませんか?それは洗濯機内部の汚れが原因かもしれません。そこで今月は、関東エリアで洗濯機クリーニングを担当している、〈さわやかハウスクリーニング〉の横坂氏に、プロが行う洗濯機の分解洗浄について詳しくお話を伺いました。
表面はキレイでも
内部はカビやホコリがびっしり!
―― 洗濯機の汚れって、あまり気が付かないですよね。
横坂氏(以下、横坂):そうですね。目に見えない場所のため、何かしら不具合を感じてからご連絡をいただくことが多いです。
―― 具体的にどのような症状が出てくるのでしょうか?
横坂:代表的な例としては以下のようなものがあります。
- 洗濯槽が匂う
- 黒いワカメのような汚れが出てくる
- 洗濯物に嫌な匂いが残る
- 洗濯物がカラッと乾かない
- 以前に比べ乾燥時間が長くなった
―― その症状、心当たりがある方も多いのでは……。プロはどのように内部洗浄していくのですか?
横坂:洗濯槽を外してその裏側や内部の汚れを洗浄していきます。乾燥機能付きであれば、温風の経路にホコリが溜まりやすいのでそれらを取り除いていきます。他にも取り外せる部品も洗浄します。ただし、どこまで分解するか?は年式や機種により異なります。購入から7年以上経過している製品は、部品の取り扱いが終了している場合もあるからです。
また、ビスが古く錆びついて洗濯槽が取り外せない場合など、無理に分解せず洗浄することもあります。慎重に製品の状態を確認しながら進めるようにしています。
【洗浄前後の事例】
縦型の洗濯槽の裏側。黒いワカメのような汚れの原因はこれです。
ドラム式洗濯機の蓋を外したところ。こんなところにも汚れがびっしり!
ドラム式扉奥の内側の様子。ここもホコリや汚れがこびり付いていました。
―― 最近は洗濯機も多機能になり、構造も複雑で大変ですね。ちなみにどれくらいの目安でプロにお願いした方がいいのでしょう?
横坂:使用頻度にもよりますが、毎日洗濯される方、1回の洗濯量が多い方、ペットを飼われている方などは、目安として1~2年に一度、分解クリーニングすることをお勧めしています。また、使い方次第で汚れの付き具合も変わってくるので、注意点もお伝えするようにしています。
―― 洗浄せずに使い続けるとどんなデメリットがあるのでしょうか?
横坂:湿気のこもった洗濯槽の裏側では、衣類の汚れや洗剤カスをエサにしてカビや雑菌が繁殖していきます。つまり、カビや雑菌が付着している桶の中で水を溜めて洗っているようなもの。これらが繊維に付着して嫌な臭いの原因になるんです。肌に直接触れるものですし、アレルギーがある方などは特に注意していただきたいですね。
最近はドラム式洗濯機のご家庭も増えていて、そのほとんどが乾燥機能付きですが、どうしても衣類から出る糸くずやホコリが風路に付着します。結果、温風の吹き出し口を塞いでいることになるので、乾きが悪くなったり、乾燥時間が長くなったりしてくるんです。電気代もかかりますし、付着したホコリに湿気が溜まるとカビや雑菌が繁殖し、嫌な臭いの原因にもなるので悪循環なんです。
分解して風路を確認してみるとホコリでびっしり!これでは乾きも悪くなるはずです。
部品も外して全て洗浄。
最後に外した部品を組み立て直し、試運転して異常がないかをチェック!
―― スイッチを入れて終了するまで、どれくらい時間がかかっていたかなんて気にしてなかったです!
横坂:最近の洗濯機はよくできていて、乾いていないと判断すると乾燥時間が自動的に長くなったりします。 節電モードに設定していたのに節電されてないなんてことも。全自動なので案外気付いてない方も多いかもしれません(笑)。
―― その点スタッフさんは、乾燥時間が長くなったとか、臭いが残っているなど気付くのが早いと思います。
横坂:スタッフさんは時間を見ながら作業をされるので、小さな変化でも気がつく方が多いでしょうね。「今までしっかり乾いていたのに、最近どうも生乾きだな……」とか。
―― まさにそんな感じです!たまに相談されます。
どうしたら内部の汚れを予防できるのか?!
―― では、極力汚れを付着させないような予防策はありますか?
横坂:はい。いくつか気をつけていただきたい点があります。
- 蓋は開けておく
- 汚れた洗濯物を中に入れない
- 柔軟剤や洗剤は適量を守る
- お風呂の残り湯は使わない方がベター
- 外せる部品は小まめに洗浄
- 洗濯槽クリーナーで定期的に洗浄
蓋を閉めてしまうと湿気が中にこもってしまい、カビや雑菌の増殖につながります。縦型は蓋を開けておく、ドラム式は中をきちんと乾燥させてから蓋を閉めましょう。
衣類についている湿気や汚れが洗濯機に移ってカビや雑菌の増殖につながります。汚れた衣類は洗濯カゴに入れるようにしてください。
特に柔軟剤には油分が含まれていて、これがカビや雑菌のエサになるんです。使用する場合は記載されている適量を守り、洗濯槽に残留させないよう気をつけてください。
残り湯には皮脂などの汚れが含まれます。これが洗濯槽に付着してカビや雑菌のエサとなり繁殖の原因になります。汚れを増やさないためには残り湯は使わない方がいいです。もし使用する場合は、水道水のすすぎ時間を長めに設定してください。
糸くずをキャッチするフィルターや洗剤を入れるケースなど、取り外せるパーツは小まめに洗い乾燥させましょう。
少し面倒ですが、数ヶ月に一度でいいので市販の洗濯槽クリーナーで汚れを溜めないよう心がけましょう。
―― 少し気を付けるだけでも軽減できそうですね。
横坂:お風呂同様、洗濯機内部は湿気がこもりやすく、カビや雑菌のエサとなる皮脂や洗剤カスも付着します。でも、定期的な分解洗浄と日々のケアによってキレイな状態を長持ちさせることは可能です。ぜひ一度、洗濯機クリーニングを試していただき、こびりついたしつこい汚れを一掃してほしいいと思います。
早速、自宅の洗濯機もチェックしたいと思います!横坂さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
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